核酸補足資料

補 足 資 料





DNA

 DNA(デオキシリボ核酸)とは、地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を

 担う、高分子生体物質です。



DNAとRNA

 DNAとRNAの機能の違いは・・・

 DNA(デオキシリボ核酸)は、SF映画等でよく登場するので耳にしたことは、

 あるかもしれませんが、RNA(リボ核酸)は、耳慣れないかもしれません。

 じつは、DNA、RNAは、ともに核酸という物質です。

 核酸とは、生物の細胞の核の中にあり、発見された当初は、どう機能するのかは

 解りませんでした。

 後に、核酸が遺伝情報の伝達やタンパク質の合成に深く係わっていることが

 判明したのです。

 電子顕微鏡の技術の向上と電子顕微鏡による研究が進むにつれて

 DNAは、情報の『蓄積・保存』を担当し、

 RNAは、遺伝情報の『処理』を担当しています。



スーパーオキサイドディスムターゼ

 「スーパーオキサイドディスムターゼ」は、細胞内に発生した活性酸素を分解する

 酵素です。酸素消費量に対する、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)の

 活性の強さと寿命に相関があるといわれています。これは、体重に対して消費する

 酸素の量が多い動物種ほど寿命が短くなるはず。ところが、SODが活性酸素を

 分解することで寿命を大きく伸ばしていると考えられます。



がん

 悪性腫瘍は、遺伝子変異によって自律的で、制御されない増殖を行うようになった細胞集団

 (腫瘍)の中で、周囲の組織(細胞)に浸潤し、または、転移を起こす腫瘍である。

 悪性腫瘍のほとんどは、無治療のままだと全身に転移して患者を死に至らしめるとされる。

 一般にがん、悪性新生物とも呼ばれる。

 「がん」という語は、「悪性腫瘍」と同義として用いられることが多く、それに倣い

 「がん」と「悪性腫瘍」とを明確に区別しておりません。



生命分子と細胞の科学

 細胞や分子の視点から生物学を理解する利点は、基本構造、細胞を構成する分子である

 核酸、タンパク質、脂質、糖を理解することでもある。



分子と細胞の世界

 細胞、組織、器官、器官系の関係、細胞の構造、細胞膜の機能

 細胞は、生命体を構成する基本的な単位です。細胞は、核と細胞質からなり、細胞膜で

 覆われている。細胞膜は、リン脂質2重層から構成されており、この中に特殊な

 タンパク質(受容体、酵素、担体、チャネルなど)がはめ込まれている。脂溶性物質や

 ガス(酸素、二酸化炭素)は、細胞膜を自由に通過できるが、水溶性物質(電解質、

 栄養素)は、通過できない。電解質や栄養素を細胞内外に移動させたスーパーオキシド

 ディスムターゼは、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素であります。    



タンパク質の構造と機能

 タンパク質とは20種類存在するL-アミノ酸が鎖状に多数連結してできた高分子化合物

 であり、生物の重要な構成成分のひとつであります。



遺伝子とDNA

 遺伝子は、ほとんどの生物においてDNAを担体とし、その塩基配列にコードされる

 遺伝情報である。ただし、RNAウイルスでは、RNA配列にコードされています。



DNAからRNAへの転写とそのい調節

 遺伝子の保存に使用されるのは、DNA。遺伝子の使用に使用されるのはRNA。

 DNAは遺伝子をため込む倉庫で、RNAは、そこから必要な部分を取り出して使う

 人間のようなものですかね。(厳密にいえば違うかもしれませんが?)

 DNAについてはこれから新たに発見されることも多いでしょうね。



RNAプロセッシング

 RNAプロセッシングとは、生物学用語。再結合、化学修飾などを受けて機能を持つ

 分子になる。その一種の過程。前駆体として合成されたRNA分成されて、切断

 再結合・化学修飾などを受けて機能を持つ分子になる。

 細胞膜を自由に通過できるが、水溶性物質(電解質・栄養素)は、通過できない。

 電解質や栄養素を細胞内外に移動させたり情報をキャッチするための物質合成物。



翻訳 mRNAからタンパク質へ

 翻訳は、DNAが持つ情報を転写したmRNAの情報からポリぺプチド(タンパク質)

 を合成する反応です。               

 反応は、リボゾーム内です。mRNAのコドンと、アミノ酸とを繋ぐアダプターとなる

 分子は、tRNAです。アミノ酸とそれに対応するtRNAを結合する酵素は、アミノ

 アシルtRNA合成酵素です。転写と同様、翻訳にも開始・伸長・終結の3段階が

 あります。大腸菌では翻訳開始時、mRNA上にあるシャイン・ダルガノ配列

 (SD配列)にリボゾームが結合します。                    

 開始コドンに使用されるメチオニンは、ホルミル化したと申せましょう。



ゲノムとは

 ゲノムとは、親から子に伝えられる「遺伝情報コードの総体」の1セットを

 ゲノムという。                           

 各細胞の中には、父からのゲノム1セットと母からのゲノム1セットの合計

 2セット(2倍体)のゲノムがある。                 



細胞の構造

 ヒトの細胞は、中央に核(核小体、染色質、核膜)があり、核の外は細胞質で

 その中に細胞自体の活動に必要なエネルギーを産生するミトコンドリアや遺伝

 情報コードからタンパク質を合成するリボゾームなど多数の小器官がある。 



細胞膜 その構造と機能

 真核生物の体細胞は、通常、相同染色体を2本ずつもっている。    

 ヒトの場合、父親と母親それぞれから生殖細胞を介して23本の染色体を受け取る

 ので、合計46本の生殖細胞が持つ1組(ヒトでは23本)の染色体のDNAに含ま

 れるすべての遺伝情報が、「ゲノム」である。  

 つまり、ヒトは、父親由来の「ゲノム」と母親由来の「ゲノム」の2組のゲノムを

 持つことになる。体細胞分裂では、細胞が持つゲノムは、変化しないので、一個の

 受精卵から作られる一人のヒトの体細胞は、基本的に同一のゲノムを持つとされて

 います。             

 分子生物学の立場からは、全ての生物を一元的扱いたいという考えに基づき、ゲノム

 は、ある生物のもつ全ての核酸上の遺伝情報としています。ただし、真核生物の場合

 細胞小器官(ミトコンドリアゲノムは含まれない)。             

 ゲノムは、タンパク質をコードするコーディング領域と、それ以外のゲノムコーディ

 ング領域に大別される。ゲノム解読当初、ノンコーディング領域は、その一部が遺伝

 子発現調整等に関与することが知られている。                 



細胞分裂と細胞周期

 アデニル酸とは、別称をアデノシン1リン酸ともいう有機化合物で、RNA中に

 見られるヌクレオチドの一種である。AMPと略される。



細胞分化

 型液胞(液胞) 生物の細胞内にある構造のひとつである。植物では発達しているが

 動物では非常に小さい。   

 主な役目として、ブドウ糖のような代謝産物の貯蔵、無機塩類のようなイオンを用い

 た浸透圧の調節・リソソームを初めとした分解酵素が入っており不用物の細胞内消化

 不用物の貯蔵の役割を担っている。          



ヌクレオチド

 ヌクレオシドの糖部分にリン酸がエステル結合した化合物。

 ヌクレオチドが多数重合したものを核酸という。 核酸を構成する構造単位である。



核酸は、4つの塩基 とは?

 DNAのヌクレオチドの並び方を塩基配列という。本来は「ヌクレオチド配列」と

 言うべきだが、実際の差異はそれぞれの塩基部分のみであるためこのように呼ばれる。

 別な呼び方では「遺伝暗号」という専門的な呼称もある。塩基配列はタンパク質の

 アミノ酸配列に対応しており、3つの塩基の組み合わせが20種類のアミノ酸1つ

 ずつに対応しており、mRNAに配列の情報転写し、細胞内のリボゾームでmRNAの

 3つの塩基が並ぶ情報が翻訳されてアミノ酸が鎖状に繋がって生成されていく。 


 DNAは、4つの塩基であるA(アデニン)、T(チミン)、C(シトニン)G(グアニン)から

 できています。このうちアデニンは、様々な物質の構成成分になっており、特にATPと

 いうもっとも重要なエネルギー物質の塩基部分として主に動物の体内で利用されています。

 このようにアデニンは、他の塩基と違った性質を持っています。では、なぜアデニンだけが

 他の生体反応に利用されているのでしょうか?その理由は、アデニンの化学構造としての

 安定性が高いためではないかといわれています。                 



腸間膜血栓症 とは?

 腸間膜動脈閉鎖症は、胃腸、肝臓、すい臓など食べ物を消化吸収する腹部内臓には、 

 酸素や栄養を供給する動脈が3系統あります。このうち小腸のほとんどと大腸の右側に

 供給するのが上腸間膜動脈。大腸の左側に供給するのが下腸間膜動脈です。この上下

 腸間膜動脈が突然詰まってしまうことを腸間膜動脈閉鎖症と言います。発生する原因と

 して、動脈硬化などにより元々狭くなっている血管に血の塊(血栓)が詰まる「血栓症」

 心臓の病気(心筋梗塞や心房細動など)により心臓から流れ出た血栓が詰まる「塞栓症」

 の2つがあります。腸は、元々血流が豊富で、血流の低下に敏感な臓器です。腸間膜

 動脈が閉塞すると腸へ酸素や栄養が供給されなくなり、腸が壊死し、腹膜炎や腸閉塞

 を発症します。さらに短時間のうちに細菌や毒素が全身をまわり、ショック状態から

 臓器不全をきたし、高確率で死に至ります。



遺伝子

 遺伝子とは、私たち人の体は、約60兆個の「細胞」からできています。「細胞」の 

 1つ1つの中には、「核」が入っています。その「核」の中には、46本の「染色体」

 があります。46本の「染色体」の半分の23本は、お父さんから、後の半分の23本

 は、お母さんから引き継いだものです。                     



サルベージ合成

 サルベージ経路は、ヌクレオチド(プリンとピリミジン)の分解経路の中間体から    

 再びヌクレオチドを合成する経路である。    

 サルベージ経路は、RNAとDNAの生分解で生成した核酸塩基とヌクレオチドの

 再生で使われる。                             



核酸と遺伝子

 核酸は、DNAとRNAの総称、一言でいえばDNA+RNA=核酸です。   

 核酸はDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)が合わさった鎖状の物質

 です。DNAは、細胞にある核に存在しており、遺伝子の本体部分となっています。

 一方、RNAは、DNAの保有する遺伝情報に基づいて体を形成していく働きを 

 持っています。核酸は私たち人間に欠かせない存在です。私たちの体は、約60 

 兆個もの細胞でできていますが、その一つ一つに核酸は、含まれています。   



美容美肌

 洗顔をすることで清浄な状態になった肌に、保湿のお手入れを行いましょう。キメの

 整った美肌のためには、お手入れで肌にうるおいを与え、水分と油分を補うことが、

 重要です。化粧品には、化粧水、乳液、美容液、クリーム、ジェルなど様々な種類が

 あります。自分の肌質を理解し、肌に合う組合せを見つけましょう。       

 例えば、保湿成分に着目して選ぶことも1つの選び方です。           


紫外線対策

 予防ケアには紫外線対策が必須うになります。紫外線A波は、天候に関係なく降り注

 ぐので、日中は常に日焼け止めを塗るようにします。2~3回に薄く重ね塗りするこ

 とで、紫外線ダメージから肌を守ってくれるでしょう。             

 このように、美肌の大敵とも言えるくすみやしわの予防には、美肌効果や保湿効果の

 ある化粧品でのお手入れと紫外線から肌を守ることが重要といえます。      


核酸と若返り

 私たちの体は、一見変わっていないように見えますが、毎日からだの中で新しい細胞

 が、生まれ変わっています。新しい細胞に生まれ変わるときに必須の物質、それが 

 『核酸』です。核酸は、ビタミンB群が、人の体の中で働けるようになるにも必須の 

 栄養素です。分子量は、一万程度から数百億。この大きな核酸という分子をずーっと 

 小さくしていくと一番最後には、単糖と塩基、リン酸になります。         


毛母細胞

 毛乳頭周辺の細胞組織のこと。                        

 毛乳頭から栄養素や酸素を受け取り、細胞分裂することで髪の毛をつくりだす。  


尿酸とは

 無色、無臭、無味の結晶。                          

 加熱しても融解せず、400℃以上で分解する。                

 動物の排泄物中に多く含まれ、ヒトの尿中には1日0.6~1.0gが排出される。  


活性酸素

 活性酸素は、大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの

 総称である。一般的にスーパーオキシドアニオンラジカル(通称スーパーオキシド)

 ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類とされる。活性酸素は、 

 酸素分子が不対電子を捕獲することによってスーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル

 過酸化水素という順に生成する。スーパーオキシドは酸素分子から生成される最初の 

 還元体であり、他の活性酸素の前駆体である。                  


アデノシンとヌクレオチド

 アデノシンは、アデニンとリボースからなるヌクレオチドの一つ。        

 アデノシンは、生体内で需要な役割を担っている。DNAやRNAの塩基として  

 遺伝情報のコードに用いられる他、生化学過程でもATPやADPの一部として  

 エネルギー輸送に関わったり、環状AMPとしてシグナル伝達に関わったりする。 


酵母とは

 酵母または、イーストは、広義には生活環の一定期間において栄養体が、単細胞性を

 示す真菌類の総称である。                          

 狭義には、食品などに用いられて馴染のある出芽酵母の一種を指し、一般にはこちら

 の意味で使われることが多い。                        


基礎代謝とは

 目を覚ました状態で絶対安静を保っているとき(基礎代謝状態)の代謝状態をいい、

 その時に個体が消費するエネルギーの量(熱量)の基礎。            

 生命を維持するために必要なエネルギー量である基礎代謝量を計算する。     


DNAとは

 DNAは、デオキシリボ ヌクレイック アシッドといい、        

 RNAは、リボ ヌクレイック アシッドといって            

 ともに頭文字での名称です。                      


細胞の老化とは

 細胞老化とは、細胞が分裂を停止し、増殖できなくなった状態が、不可逆的に

 引き起こされること。ゲノムの不安定化などによって引き起こされ、細胞が、

 がん化することを抑制する防御反応であると考えられている。       

 個体の老化になぞらえて名付けられたが、個体老化と細胞老化の直接的な関連

 については、議論が続いている。                    


ゲノムとは

 現代主流となっている分子生物学的解釈によれば、ある生物種を規定する  

 遺伝情報全体のこと。                         

 生物が生きていくために必要な遺伝情報の1組をいい、構造としては染色体の 

 1セットに相当する。                         

 または、ある生物がもつすべての染色体を1組分だけ取り揃えたもの。   

 すなわち、単相の細胞に含まれる全染色体をいう。            

第7の必須栄養素

 栄養素とは、栄養のために摂取する物質を要素として指す言葉。      

 タンパク質、脂肪、炭水化物の三大栄養素のほかに・・・・・。      

 生物体から検出されたからといって微量栄養素なのか、単なる汚染なのかは、

 識別することはできず、成長に必要な因子であるかどうかが明確になる必要 

 がある。ほとんどの場合、微量栄養素は、必須栄養素であるが、水や食餌の 

 摂取により必要量が、十分賄われている場合も多い。           


遺伝子情報

 遺伝情報は、遺伝現象によって親から子に伝わる情報。DNAの塩基配列情報

 だけではなく、その修飾や母性mRNA・タンパク質なども含む。     

 いわゆる遺伝子は、遺伝情報の担体(遺伝因子)のひとつである。     

 現在では、遺伝子がその生物もしくは、病原のほとんどの遺伝情報を担って 

 いると考えられている。                        


老化現象

 老化に伴って起こる心身の一連の退行的な変化。記憶力・記銘力や視力・聴力

 体温調節などの生理機能の低下、足腰の弱ることなど。          

 老年化によって現れる変化(老人性変化)をいう。老化(エイジング)を進行

 させる因子は、多種多様の機構の相関のうえに成り立つと考えられる。   


デノボ合成

 生体内で、原料から新たに物質を作ること。               

 生物の代謝経路において、ある物質が、原料となる別の物質から、新しく  

 生合成されることを意味する。                     

 特に、ヌクレオチドや核酸の生合成において用いられることが多い。    


若い人の悪性疾患

 胃の疾患の中で重要なのは、なんといっても胃がんです。諸外国に比べて  

 日本人に多く、国民病とさえ言われています。              

 最近では、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が最大の危険因子とされています。

 40歳代頃から増え始める傾向があると言われていますが、若い人にはできない

 と言う訳では決してありません。                     

 形や大きさは、様々で悪性、良性いずれもありうるのですが、一般的には良性 

 という意味合いを込めて使用します。                   


細胞の新陳代謝

 新陳代謝とは、古いものが新しいものに次々と入れ替わることをいいます。 

 特に、健康法や美容法において「細胞の新陳代謝」などという使われ方を  

 するが、これはしばしば生化学における代謝の意味ではなく、細胞自体の  

 入れ替わりを意味する表現である。                   


ヒスタミン

 ヒスタミンは、必須アミノ酸であるヒスチジンから合成され、肥満細胞中に 

 高濃度で存在し、肺、肝臓、胃粘膜、脳などにも存在する。 

 それぞれが体内での生理機能を担っている。                


塩基

 塩基とは、水に溶けた時に電解して電離して、水酸化化合物イオンを

 生じる物質。また酸から水素イオンを受け取る物質。

 水に溶けるものは、アルカリと呼ぶことが多い。  

                    


ホスホジエステル結合

 炭素原子の間が、リン酸を介した2つのエステル結合によって強く共有

 結合している結合様式のこと。                  

 地球上のすべての生命に存在し、DNAやRNAの骨格を形成している。

      
 核酸のヌクレオチド同士を結合しているのは、この結合である。  


糖鎖

 糖鎖とは、各種の糖がグリコシド結合によってつながりあった一群の

 化合物を指す。                        

 結合した糖の数は、2つから数万まで様々であり10個程度までの 

 ものをオリゴ糖とも呼ぶ。                   


グリコシド結合

 炭水化物分子と別の有機化合物とが脱水縮合して形成する共有結合である。

 具体的には、単糖のヘミアセタールとアルコールなどの有機化合物の

 ヒドロキシン基との間の結合である。              


フリーラジカル

 ラジカルは、不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオンのことを指す。

 フリーラジカルまたは、遊離基とも呼ばれる。

 ラジカルは通常、反応性が高いために、生成するとすぐに他の原子や分子

 との間で酸化還元反応を起こし安定な分子やイオンとなる。      


アミロース

 アミロースとは、多数のαグルコース分子がグリコシド結合によって重合し

 直鎖状になった高分子である。アミロペクチンと同じくデンプン分子である

 が、形状の違いにより異なる性質を持っている。デンプンに含まれる。


アミロペクチン

 アミロースとともにデンプンの構成成分。普通70~80%含まれている。

 千数百個のグルコース分子が、枝分かれしながらつながったもので、ヨウ素

 デンプン反応では、赤紫色から紫色に呈色する。


糖鎖

各種の糖が、グリコシド結合によってつながり合った一群の化合物を指す。

結合した糖の数は、2つから数万まであり、10数個までのものをオリゴ糖 

とも呼ぶ。アミロースやセルロースは、最も単純な糖鎖といえる。    

糖鎖は、糖同士だけでなく、タンパク質や脂質その他の低分子とも結びついて

ついて多様な分子を作り出す。              

これら糖タンパク質、糖脂質は、生体内で重要な生理作用を担う。

炎症やがんの予防というアプローチが、より現実味を帯びてきました。糖鎖は

ガンや感染症をはじめとするさまざまな病気にも関与しており、病態の解明や

新薬の開発を目的とした研究が進められている。    


生体内での糖鎖

アミロースやアミロペクチン、グリコーゲンなどは、グルコースを多数結合さ

せて、体内でのエネルギー源として保存しやすい形に蓄積したものといえる。

またセルロースやキチンなどは、丈夫な繊維になるため、動植物の体を構築 

する素材として重要である。                  

糖タンパク質の糖鎖には、セリンやスレオニンのヒドロキシ基にα結合している

グリコシド結合糖鎖とアスパラギンのアミノ基にβ結合しているグリコシド結合

糖鎖がある。この糖鎖は、熱ショックタンパク質のフォールディングに関わって

いるものもあり、それらはシャペロンといわれる。             


糖鎖の構造の多様性

糖鎖は、タンパク質・DNAに続く第3のバイオポリマーと呼ばれるが、その重要な

特性は、構造の多様性にある。タンパク質・DNAの素材であるアミノ酸や核酸塩基

は一列に並ぶしかできないが、糖は多数のヒドロキシ基が全て結合に活用しうるた

め、枝分かれして複雑な構造を作り出すことが出来る。            


また、グリコシド結合のα・βの異性体も考え合わせれば、考えられる糖鎖の数は、

さらに増える。                  

糖の種類自体もペントース、ヘキソース、アミノ酸、ウロン酸類、デオキシ糖など

バリエーションが多いため、糖鎖の種類は、実に膨大なものになる。      

糖鎖が情熱を担う分子であるのは、こうした条件によっているといえる。    


糖鎖の合成

遺伝子工学の進展によりタンパク質の合成が簡単に出来るようになったのに対し、

糖鎖の合成は、純粋な化学合成に頼らざるをえず、これが糖鎖の機能解明を阻む 

大きな要因となっている。                         

化学合成による手段も前述したように糖鎖の構造は複雑であるため、十分発展して

いるとは言い難い。                            


遺伝子(DNA)を修復する能力

遺伝子(DNA)修復とは、生物細胞においておこなわれている様々な原因で発生

するDNA分子の損傷を修復するプロセスの事。DNA分子の損傷は、細胞の持つ

遺伝情報の変化あるいは損失をもたらすだけでなく、その構造を劇的に変化させる

ことで情報の読み取りに重大な影響を与えることがある。           

DNA修復は細胞が生存しつづけるために必要な、重要なプロセスである。細胞には

DNA修復を行う機構が備わっており、これらをDNA修復機構あるいはDNA修復系と 

呼ぶ。                                  


肌のターンオーバー

肌のターンオーバーもこの細胞修復機能に準じて使われていて、肌の表皮部分の 

「新陳代謝」「生まれ変わり」のことを言います。              

皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」から成り、さらに表皮は、一番下から基底層

有棘層・顆粒層・角質層という順に並んで構成されています。         

表皮の細胞は、基底層で作られ徐々に押し上げられて、最終的に垢となって剥がれ

落ちます。                                

表皮細胞は、顆粒層までは細胞の中に核があり生きています。角質層で角質細胞に

変わる際に細胞の核がなくなり死にます。


遺伝子

遺伝子は、人の体の部品を作るための重要な情報を記録している領域であり、人の

個性を生み出す設計図でもあります。遺伝子を正確に知ることは自分の個性を知る

こと、自分自身を知ることにつながります。                 


異常細胞

がんは、普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりです。正常な細胞は、体や

周囲の状態に応じて、ふえたり、ふえることをやめたりします。        

一方、がん細胞は、体からの命令を無視してふえ続けます。勝手にふえるので、 

周囲の大切な組織が壊れたり、本来がんのかたまりがあるはずがない組織で増殖し

たりします。正常な細胞ではこのようなことはありません。          


発がん物質

発がん性は、正常な細胞をがんに変化させる性質。発がん性物質とは、発がん性を

示す化学物質の事である。                         

がんは、がん抑制遺伝子の変異の蓄積や、環境因子などの複合的な要因によって 

発生すると考えられている。                        


活性酸素

活性酸素は大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの

総称である。                               

一般的にスーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素

一重項酸素の4種類とされる。                       

活性酸素は酸素分子が不対電子を捕獲することによってスーパーオキシド、ヒドロ

キシルラジカル、過酸化水素、という順に生成する。             

スーパーオキシドは、酸素分子から最初に生成される還元体であり、他の活性酸素

の前駆体であり、生体にとって需要な役割を持つ一酸化窒素と反応してその作用を

消滅させる。                               


活性酸素の中でもヒドロキシルラジカルは極めて反応が高いラジカルであり、活性

酸素による多くの生体損傷はヒドロキシルラジカルによるものとされている。  

過酸化水素の反応はそれほど高くはなく、生体温度では安定しているが金属イオン

光により容易に分解してヒドロキシルラジカルを生成する。          

活性酸素は1日に細胞あたり約10億個発生し、これに対して生体の活性酸素消去

能力(抗酸化機能)が働くものの活性酸素は細胞内のDNAを損傷し平常の生活で

でもDNA損傷の数は細胞あたり1日数万から数十万個になるがこのDNA損傷は

すぐに修復される(DNA修復)                      


フリーラジカル

不対電子を1つ、またはそれ以上もつ分子、原子をさす。           

全ての物質は分子から成り立っています。通常分子の中の電子は2つが対をなして

安定して存在しています。その電子が対をなさず、1つだけ離れて存在することが

あります。この様な対をなしていない不対電子を持つ原子や分子をフリーラジカル

と呼びます。

フリーラジカルはよく活性酸素と混同されてしまうことがありますが、活性酸素と

活性酸素の中には不対電子を持つものと、持たないものがあります。      

スーパーオキシドやヒドロキシラジカルはフリーラジカルですが、一重項酸素や

過酸化水素はフリーラジカルではありません。                

ラジカル(過激な)という言葉通り、電子が足りないために不安定で、反応しやす

いという性質をもちます。                         


老化現象

老化とは、生物学的には時間の経過とともに生物の個体に起こる変化をいう。  

その中でも特に生物が死に至るまでの間に起こる機能低下やその過程を指す。  


老化の原因

地球上の生物はヒトに限らず加齢とともに老化していく。老化には自然現象である

生理的老化と病的因子によってそれに拍車をかける病的老化がある。      

現在のところ、老化の原因ははっきりとは解明されていない。老化の原因に関する

仮説には、プログラム説、活性酸素説、テロメア説、遺伝子修復エラー説、   

分子間架橋説、免疫機能低下説、ホルモン低下説などがある。         


コケイン症候群

コケイン症候群とは、老化現象が通常よりも早い時間軸の中で出現する早老症に 

分類される疾患の一つ。                          

常染色体劣性遺伝により発症する光線過敏症紫外線症のことをいいます。発達遅滞

進行性の色素性網膜症、感音性難聴、う蝕症、神経変性等の多臓器病変が進行する

のが特徴である。                             


ウェルナー症候群

ウェルナー症候群とは、老化現象が通常よりも早い時間軸の中で出現する早老症に

分類される疾患の一つ。                          

思春期までは比較的正常に成長しますが、20代前後を境にして白髪や脱毛、白内

症などの加齢に関連した病気がみられるようになることから代表的な早老症候群の

一つに数えられる。                            


ゲノム

分子生物学的に見た解釈によると、ある生物種を規定する遺伝情報全体の事。  

遺伝情報はすべて、遺伝子を構成するDNAのすべての遺伝情報のことです。  


免疫細胞

白血球は、からだの中に侵入してきたウイルスや細菌などを異物としてとらえ  

命を守り続ける免疫細胞です。                       

からだの中では、樹状細胞やT細胞、NK細胞などの多種多様な免疫細胞群が  

緻密な連携を組んで異物と闘っています。                  


第I相試験

新しい薬をはじめて人(患者さん)に投与する段階の試験。少数の患者さんで、 

投与量を段階的に増やしていき、薬の安全性と適切な投与量、投与方法を調べます。

通常、標準的治療法のないがん患者さんが対象となります。   


ファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験

新しい薬を全世界ではじめて人(患者さん)に投与する段階の試験。人における投与

経験がないため、第I相試験のなかでも特に緻密さや経験が要求されます。これまで

日本ではFIH試験を実施できる体制が整っていなかったため、海外でFIH試験とその

後の開発が進んでから日本での開発が行われることが多く、ドラッグラグを生む一因

となっていました。


RNA干渉

 細胞内の標的とする遺伝子に対し、その塩基配列と同じ二本鎖RNAを導入することで

特定の遺伝子の発現が抑制される現象のこと。標的遺伝子から合成されたmRNAに

二本鎖RNAが作用して、mRNAが特異的に分解されることにより、遺伝子の発現が

抑制されます。                  


siRNA

21-23塩基対からなる低分子二本鎖RNAで、人工的に合成できます。  

細胞内に導入することでRNA干渉を引き起こすことができますが、単独では導入効率が

低く、体内で容易に分解されるため、適切な製剤化が必要となります。


TDM-812

治療抵抗性局所腫瘤の乳がん患者を対象に、乳がんの治療抵抗性に関わるRPN2  

(リボフォリン2)遺伝子の発現を抑制する核酸医薬「TDM-812」のこと。


RPN2遺伝子

乳がんの治療抵抗性にかかわる分子として2008年に発見された。  


HER2

HER2(ハーツー)は、細胞表面に存在する糖タンパクで、受容体型

チロシンキナーゼである。

女性ホルモンにより増殖する性質を持たず、がんが増えるスピードが速い

という特徴を持ちます。


QOL

QOLとは、クオリティ・オブ・ライフのこと。

一般的には、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的に見た生活の質のこと。

ある人が、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り人生に幸福を見出して

いるか、ということを尺度として捉える概念である。


コピーミス

 がんを引き起こすのは、環境要因や遺伝要因が及ぼす影響よりも、細胞が分裂する際に

DNA複製過程で誤りが起こる、いわゆるコピーミスが原因で、ガンを引き起こす要因の

3分の2を占めていることが最近の研究で明らかになってきた。

DNAの複製は、10万分の1の確率でエラーが発生するとされている。


ATP

 生体内でエネルギーの「通貨」としての役割を果たす物質。            

アデノシンに3つのリン酸がつながったもので、そのうちの端から2つが高エネルギー 

リン酸結合をしているため、加水分解されてリン酸が1つとれていくことによって、  

大きなエネルギーが解放され、それが各種の生命活動のエネルギーとして利用される。 

ATP(アデノシン3リン酸)のリン酸が1つとれてADP(アデノシン2リン酸)  

さらに1つとれてAMP(アデノシンリン酸)となる。               

AMPはRNAの前駆物質としても重要である。                  


基礎代謝量

 ジッとして動かなくても消費するエネルギー量。            


DHT

 Dihydrotestosterone(ジヒドロテストステロン)の略。           

「活性型男性ホルモン」とも言う。                        

男性ホルモンの一つであるテストステロンが酵素によって変化したもの。       

毛乳頭などの細胞に結合すると、抜け毛を促すと言われている。           


アルツハイマー型認知症

 物忘れから気づくことが多く、今まで日常生活で出来たことが少しずつできなく

なっていきます。                        

新しい事が記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるなどが

特徴的です。また、物盗られ妄想や徘徊などの症状がでることがあります。 


ゲノム編集技術

 配列特異的にDNAを切断する酵素を用いて、ゲノム上の目的の配列に変異を

生じさせる技術の総称。                        


保護的変異

 ある疾患の発症リスクを軽減するような遺伝的変異。

疾患発症の原因変異に比べると同定数は少ないものの多数の変異が見つかって

いる。


神経変性疾患

 神経組織の変性を伴う病気で、異常なタンパク質の凝集などを伴い、神経細胞が

損傷するために起きると考えられている。                  

アルツハイマー型認知症やパーキンソン病、プリオン病、筋委縮性側索硬化症などが

知られている。 


アミロイド前駆体たんぱく質(APP)

 アミロイドベータ(Aβ)の前駆体タンパク質。2種類のプロテアーゼによって

APPから切り出されて産出される。                   

家族性アルツハイマー病患者より遺伝子変異が同定されているが、変異のタイプに

よりAβの産生増加、凝集性促進、毒性の強いサブタイプの産生亢進が生じる。  

逆に、遺伝子変異によりAβの産生が抑えられ、アルツハイマー病を発症しにくい 

ケースも報告されている。このことからもアルツハイマー病の発症には、Aβの蓄積

が引き金になっていると推察される。                     


プロタミン

 魚類の精巣から抽出されるたんぱく質の主成分。食品添加物として用いられており

塩基性で水に溶け、耐熱性芽胞菌に対して増殖抑制効果を持つ。         

また、医療用に頻用される抗凝固薬ヘパリンの中和作用も持つ。


ヘモジデリン

 ヘモジデリンは、ヘモグロビン由来の黄褐色あるいか褐色の顆粒状あるいは、

結晶様であり、マクロファージにより貪食された赤血球やヘモグロビンが、  

リゾソームで分解、処理される過程で作られる。何らかの原因で鉄が過剰に  

蓄積されるとヘモジデリンが諸臓器に沈着し、組織障害を起こす。 


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